2016/05/20

瑞兆@渋谷に思うこと

今更ながら、ネットでもリアルでも評価の高い「瑞兆」に行きました。

知らない人のために簡単に説明すると、瑞兆というのは渋谷にあるカツ丼屋さんで、一般的な卵でとじたタイプのものでなく、ご飯の上に比較的堅めの半熟卵焼きを乗せその上にカツが乗る、たれカツ丼に近い味わいのニュースタイルな丼で人気を博しているお店です。
http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13161530/
結論からいうと、残念ながら僕は再訪しないし、凡庸で取り立てて褒めるところが1つも見つかりませんでした。渋谷のあの辺で手軽に食べられて美味しいものは少ないから仕方なく選択肢に入るというレベルかと。

とんかつ、醤油ベースの甘めのたれ、卵、ご飯、お吸い物、お漬物、という、日本人であればDNAレベルで好きなものとしてインプットされているであろうコンテンツをシンプルな組み合わせた丼ですが、食べてみると構成される個々のコンテンツのクオリティは平均レベル(カツについては決して美味しいとは言えない)でした。

当然、それらを組み上げて作られたアウトプットは最低でも平均点レベル以上にはなるはずで、美味しくないはずないと思いますよね?実際美味しくないことはないんです。でも単なる平均点レベルのコンテンツの集合体に過ぎないんです。

カツがサクサクだから良いって声がありますが、それならタレカツ定食でいいんだけど、トンカツとしてのクオリティも平均点レベル(個人的には全然それ以下)だし、重ねることでそれぞれが単体時より良くなっている感が全くない。

そもそもカツが劇的に美味しかったらカツ丼にしなくていい訳で、カツ丼の良さって、個々のコンテンツのレベルが低い事を補うところにあるんだと思います。割下、たまねぎ、卵の相乗効果で安い肉質や低い揚げ技術を補い、集まったことで単体より美味しいものに仕上げるものじゃないかと。でも瑞兆のそれは、個々のコンテンツレベルを底上げすることが出来ていないと感じました。

何事でも、提供される個々のコンテンツが高クオリティであれば単体で提供しても十分な満足を得られるので、それだけしっかりやっていればいいんですよね。
でもそれが微妙な場合や、それらを融合させて化学反応を起こすことでより良くするのであれば、コンテンツミックスをやることに意味がある訳です。

食事後、最近提唱しているFuture Dancehallのイベントのミーティングがあったのですが、提唱する音楽や、その展開方法が、瑞兆的になってはいけないなと強く思ったのです。

つまり、ダンスホールミュージック、ベースミュージックはそれぞれ単体でもしっかり成り立っているもの、でもそれらを融合させることでフューチャーダンスホールとしてそれぞれの亜流というか新しい形として提唱していくのであれば、それぞれのよさを更に引き出し、より良いものに昇華させなければ意味がありません。

ただ組み合わせただけで、それぞれの元々持ってるものをただ並べて提示するだけになってはいけないし、グローバルヒットの無いシュリンクの一途を辿るダンスホールと、ともするとマニアックで派手さが無いというベースミュージックのネガティブな要素を打ち消すための融合を図らなければ意味がないのです。

6/11日にageHaでフューチャーダンスホールのイベントが行われるということで、参加させていただくことになりました。ゲストはPart 2 Style その他は秘密です。みんなで個々のコンテンツをより良いものにすべく動いています。

是非、現場に来て新しいムーブメントを体感して欲しいと思います。