2012/09/28

ダンスホール業界に必要なモノとは?③


IBMの会長がいう「おまえらしがみついてないで変われ。潮時を理解しろ。」
これこそ正にって感じじゃないですかね?

もちろんこれは、キャリアとかポジションとかの話ではありませんよ。お客さんを含め業界全体のどんな立場にある人に対しても言えること。ピラミッド構造に例えたのは責任論にしたいからだと勘違いする人がいるかもしれませんが、そうではありません。誰かが業界にしがみつくとかそんな話ではないです。

ダンスホール業界に限らず、海外発信の音楽に依存せざるを得ない業界の課題として、フォローしている海外シーンの流れに大きく左右されるということがあると考えます。当該シーンに流れがある時は問題ありませんが、流れがなくヒットが生まれないというような状態が続いた時には、必然的に過去に受けたフォーマットに頼らざるを得なくなります。
ダンスホール業界はグローバルヒット不在が10年以上続いているため、世界の音楽シーンから取り残されているといっても過言ではない状況です。プレーヤーはもちろん、お客さんも含めて、過去のフォーマットにしがみつかざるを得ない状況になっているように感じます。ここでいうフォーマットとは音楽に限らずダンスその他付帯要素も含んでます。

ということで、課題の1つに挙げたいのは、グローバルヒットの不在時の既存フォーマットへの依存。コレに対する思い切った意識改革が必要だと思います。

ただ、問題は時流に合わせたスピーディーな変化なんかそもそも論できるのかということです。先に述べたフォーマットという言葉の説明にもなりますが、ブラックミュージックは他のジャンルよりもその背景の文化ありきで音楽は二次的な表現手段の一つという色合いが強いことから、ファッションや諸々のマナーを含めた文化全てをフォローすることが求められるという非常にコンサバな世界。ダンスホール業界は更にルールも複雑で形式論に拘るよね?そのため、ある程度決まったマナーやフォーマットの中で勝負しなければならない。世の中に新しい流れが生まれても、それを現地の本流の人達が取り入れてくれないと、日本の局地的な現場発信で取り入れるのは非常に難しい。このジレンマが、既存フォーマットから抜け出せないという構造的欠陥を作り出していると思います。

端的な例としては、BPM128への抵抗。10年前、ダンスホールの現場でHIPHOPなどをかけることに大変な圧力があったのと同様、今の世の中の流行の音楽の流れをそのままダンスホールの現場に持ち込むことへの抵抗は未だに大きいと感じますね。まずは、この抵抗感を業界全体から排除していくことがとても重要だと思っています。別に拘らなくていいと思うんですよね。ジャマイカがこうだから、ダンスホールだからこうだとか、最低限のルールは必要だけど、マナーって文字通り別物だし。。別に今までこうだったからとか、こうじゃないといけないなんて誰も決めてないんだし、ある程度柔軟に運用すればいいんじゃないの?

最近とみに思うのが、ジャンルとか形式に拘るのは、今はむしろプレーヤー側よりお客さん側の傾向が強いということ。やる側はやりたいコトとやらないといけないコトの分別はついてますが、お客さんからは妙な反発があるように感じます。多分、変にダンスホールってこうだよねっていう情報だけ(しかもそれが間違っている場合もある)先にインプットされて、いざ現場に来ると、想い描いていたあるべき姿じゃないってなるんでしょうか?これも問題ですよね。

カパショットがPSYかけた云々がプレイヤー間で話題になること自体がまずい。ってことにそろそろ気づかないといけないと思います。
勘違いして欲しくないんですが、流行に媚びることを求めている訳ではないです。潮時を理解して変化していく、しがみつかないということが大事なのではないかということ。

そもそもジャンルという言葉でのカテゴライズが有効に機能するのはいつどこで?誰か教えて。


ダンスホール業界に必要なモノとは?②

そもそも、何でこんな事を書こうと思ったか。

皆さんIBMという会社知ってますよね?インターナショナルビジネスマシーン。よくわかんないけどパソコン屋でしょ?サーバーだっけ?そのぐらいのイメージかも知れませんが、常に世界のビジネスの常に中心にいるすごいでかい会社っていうことはご存知かと。
そのIBM日本法人75周年記念イベントで、パルミサーノ会長が紹介した「5つの問い」
ビジネスシーンでは話題になったコレに関する色々な記事を読んでいて、ふと、この会社が100年以上も世界のビジネスの中心にいるコツが、音楽シーンであっても同じだろうから当てはめて考えてみようと思ったのがきっかけです。
ビジネスの大小を問わず、お客さんがいてサービスを提供するという仕組みは同じで、それが時流や環境変化に左右されるのは当たり前のこと。だから、長期的に事業を継続するということの本質的な部分は、大きなビジネスだろうとクラブシーンであろうときっと変わらないと思うんですよね。

あと、ブログというツールの使い方として、何か意味のあるコトをしっかり書いて残していこうと、このところずっと思っていたっていうのも大きな理由です。ブランニューのミックス紹介、リミックス、イベント告知、現場レポート・・・今までやってきたコトは全て、SNSその他の新しいメディアで消化されるものになってるからね。

で、IBMのパルミサーノさんの話ですが、彼は「製品であれ、サービスであれ、ビジネスモデルであれ、しがみついていては成長はない。自分を変えることが最も難しいかもしれないが、リーダーは潮時を理解しなければならない」という視点から、長期的にビジネスを続けるにあたって常に自分に投げかけるべき「5つの問い」(&それに対する氏の考え方)というのを紹介したそうです。

5つの問いとは・・・

1.創業者が退いて以降も企業を永続していくには何をすべき?
「単に製品やサービスだけでなく、企業の理念や価値観を作り上げるべき。これこそがリーダーシップ」

2.組織として相反する要素があったときどうすべき?
「例えば、コスト削減とR&D投資、単にバランスを取るのではなく、M&Aも含めて大切なことはしっかりと継続すること」

3.コモディティー化にどう対処すべき?
「PCのように事業の中核をなさないと分かったら撤退する。また、リインベンション(reinvention:再発明)という手法もある。IBMはこれによってメインフレーム事業を再生できた」

4.企業の国籍がグローバル時代にどれほどの意味があるのか?
「各国各地域のニーズをつかみ、それに応じた価値を創造しなければ成功はおぼつかない。市場は参入するものではなく、創造するもの」

5.リーダーとして長期的な視野をどのようにして貫けばいいのか?
「株式投資もより投機的になってきているが、リーダーとして方向性を明確に示せば、社員は付いてくる」

当たり前っぽいことばっかりだし、ドラッカー的なつまんねー話?みたいに思うかもしれませんが、まあ聞いてください。
凡時徹底とかいいますが、当たり前のことを普遍的にやり続けることの大切さはいわずもがな。
これまでは、シーンの拡大が急速に進んでいく中で、当たり前のことに立ち返る暇はなかったのかも知れない。でも、そこが足りなかったことのツケを払わされているのが今のダンスホールシーン、音楽業界なんじゃないかと思います。日本の多くの企業が抱えている構造的な問題と同じかと。

次回以降、上記の話をベースに、シーンの現状分析と対応策について考えていきます。

実際話に来てくれたヒビキラーみたいに、オフラインで議論してくれる人も大歓迎。

2012/09/27

ダンスホール業界に必要なモノとは?①


突然ですが、ダンスホール業界(ここではクラブイベントにおけるサウンドの活動にフォーカスします)の現状についてどう思いますか?「レゲエバブルが弾けた」と揶揄されて久しいですが、ダンス減ったなーとプレイヤーもお客さんも誰もが感じているのではないでしょうか?ダンス減ったなぁ~、遊びにいくとこないなぁ、まあいっか寝よう・・・
なのか、そもそもそんな風に感じていないかどうかは知らないけど、自分が感じるそういう現状に対して業界として手を打とうという空気はないように感じます・・・
そういえば、同業者同士でこういう会話すらしたことが無いかも知れない。危機感は持っているけどどうして良いか分からないというのが本音でしょうか。

告知サイトなどを見ていると、1,2年前と比べても明らかに都内中心部のイベントの数は激減してます。特に大箱と呼ばれるクラブでの週末、祝前日のイベントはほぼ壊滅的で、フェスなどの大規模イベントも少なからず影響は受けているだろうと思われます。個人的には、この現状こそが業界にとって重要な課題だと考えています。自分達の直面している危機から目をそらし、風適法云々、ダンスが規制されているなどとベクトルを変えて責任転嫁というか逃げる風潮はとても不安。知識不足もあるけど超無責任だよなぁ・・・特に根性・感情論に持っていきがちというのが痛い・・・と思う。
目を向けるべきは、箱が減っているなどの環境変化より、その箱の中にいる自分達がシュリンクしているという自分達自身の劣化だと強く思います。

いやいや、イベントは平日にシフトしたり小箱にシフトしたり、新たな場所を探してやってるし、遊び場はキープできている etc だから問題ない。と考える人も沢山いるでしょう。今はまだそれで良いかもしれません。しかし、クラブ業界全体のパイにおけるダンスホールの割合がシュリンクし、大箱でのイベントやフェスなどメジャーなイベントが減ることで、徐々にダンスホールのクラブ業界におけるインパクト・発言力が失われ、延いては小箱や平日のイベントにも影響してくるという可能性が多分にあり、ここが重要な問題だと考えてます。マネタイズの問題や音楽そのもの性質についてはちょっと横に置いときます。

ダンスホール業界をピラミッド状の構造に当てはめると、上の方は職業プレイヤーのプロ、真ん中は趣味延長のプレイヤー、裾野はお客さんという感じでしょうか?ただ、ダンスホール業界の場合裾野と真ん中の距離感は非常に近く、線引きが明確にはされていないため、上の方とその他に分けて差し支えないかなと。

かつては、上部に位置するプレイヤーやイベンターが、オーバーグラウンドに活動し、大箱でもしっかり地位を確立していました。そのおかげもありダンスホールというジャンルはクラブ業界の中である程度強い発言力を持っていたと思います。一過性のブームだったということもあるでしょうが、他のジャンルと比べても発言力は強かった。
それがどういうことか?色々あるけど端的にいうと、ピラミッドの面積が大きくても受け皿があったし受け入れてもらえるスペースを作ってもらえたということ。クラブにとっても利用価値のあるプレイヤーがイベントをやっている、彼らを使うということ自体にバリューがあり、同時にプレイヤー側は好条件でいい環境でプレイ&やりたいイベントができる。俗に言うWin-Winの関係でしょう。

じゃあ今はどうか?レゲエ=ダンスホールに対するクラブ業界での風当たりは非常に強く、ピラミッドのサイズを小さくしないと入り込むスペースがありません。下手したら最初からスペースそのものが無い。週末の渋谷見ててわかりますよね?それの何が問題かというと、ダンスホール業界の面積(ピラミッドの大きさ)を小さくすると、必然的にピラミッドの真ん中から下のシーンの中核を担う、若手や専業ではないプレイヤーはシーンから離脱せざるを得ないことになります。多くの人達の辞める理由は「年取ったから」「仕事がんばるから」「彼氏彼女できたから」「結婚したから」でも本当はそんなのあまり関係ないんだよね。ほんとにやりたかったらどんな生活の状況でもやる。やりたくても出来ないのはシーンがシュリンクしてるからなのに変な理由を付けて自分を納得させるしかない。すごく寂しいことじゃないですか?
感情論は置いとくとして、シーンを下支えする構成員がいなくなるとピラミッドはどんどん崩れていくわけですよ。裾野が狭くなり、その上もボロボロ崩れていく。負の連鎖の始まり。今は、そういう「シュリンクスパイラル」にあると思うのです。

次回以降、じゃあどうすんの?の部分について続きます。

2012/09/04



“渋谷レゲエ祭‐2012年‐” −AFTER PARTY−
              Meets
“KachiKachi☆カチカチ”−5th ANNIVERSARY−

2012年9月22日(土・祝)
@渋谷club axxcis2F [※2nd Floorが会場となります。]
東京都渋谷区渋谷3-26-25 / TEL : 03-5458-4681
OPEN/START 23:00〜
MEN / ¥3000[1D] WOMEN / ¥2000[1D] 
※渋谷レゲエ祭2012の半券をお持ちの方は ¥1500[1D]!!!
※エントランスでカチカチと伝えると MIX CD & Goods をプレゼント!!!


【SPECIAL GUEST ARTISTS】
ACKEE & SALTFISH
般若

【SPECIAL GUEST SOUNDS】
INFINITY 16
RED SPIDER
YARD BEAT

【HOST SOUND】
SPICY CHOCOLATE

【MUSIC BY:KachiKachi CREW】
RACY BULLET /BOTH WINGS /RAW QUALITY /
DREAD NOUGHT /MAD BULL /JOINT ONE /IMPERIAL

【DANCE PERFORMANCE】
RUI /MIHARU /MIWAKO /SACHI /MIKA
(東京CANDY BUBBLERZ)

AI fr.TOKYO VENUS /CALIFORNIA GIRLZ /CHIHO /
eyeri /LIE /mikian /YUKI /yurie


【KachiKachi☆カチカチ☆Offcial Blog】